三線ができるまで

繊細な職人技が求められる三線作り。
原木選びから数十年かけて仕上げることも珍しくないと言います。
1本の木が美しい音色を奏でる楽器へと
華麗に変身を遂げるまでの工程をご紹介します。

棹
01
原木からの製材
角材、もしくは丸太の原木を大きめの三線の形に製材していきます「荒割(あらわち)」
木は、切り倒してから10年〜20年の乾燥期間をおいてから製材に取り掛かります。
02
センター出し、型取り
荒割された棹の表面、裏面のセンターラインを取り、このセンターラインを基準に型紙等で全ての寸法を出していく。このセンターラインは、後々三線の「中絃」通るラインになるのでとても重要です。
すべてを手作業で、ノミ、ヤスリ、カンナ等で棹の形を作っていき、全体的なバランスを整え、最後に「野」(トゥーイ)を仕上げる。(棹の製作は、短時間で行わず木の変化、乾燥の具合を確認しながら行います。)
03
棹塗り
完成した棹は塗りをかけます。
生木の状態でも使うことはできますが、生木で使用すると棹が傷みやすいため、棹の保護と乾燥によるヒビ割れ等を防ぐために行います。
棹を塗り、それを研ぐ作業を10回程度繰り返して、美しく、艶やかな棹に仕上げていきます。
胴
04
蛇皮の裁断
三線の胴の大きさに合わせて蛇皮を切ります。
蛇皮一枚張り、蛇皮二重張り(強化張り)等、作る胴によって少し異なりますが、切った蛇皮を水で濡らし、胴の形になるように乾燥させます。
05
皮張り
皮張りは、表面、裏面の2回に分けて作業していきます。
この皮張りの強さ、両面の張りのバランスが仕上がりの音をおおきく左右するので、職人技が活かされる難しい作業です。
皮張りの後は、蛇皮を胴の側面に接着して、皮張りの完成です。
調整完成
06
各部品を組み立て調整し、仕上げる
棹にカラクイをはめ、棹を胴に差し込みます。
この「部当て」と呼ばれる組み立て作業が三線の音色に大きく影響するため、棹と胴の角度を丁寧に調整します。歌口をはめ、胴巻きと糸掛をつけた後にカラクイに絃を巻きつけ、最後にウマを立てたら完成です。
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今月の三線紹介

全て一点物のため、素材感や質感、音色等に個体差がございますので詳しくはお問合せください。

縞黒檀・真壁型
(二重張り/ツヤあり)
縞黒檀・与那城型
(二重張り/ツヤなし)
縞黒檀・知念大工型
(二重張り/ツヤあり)